✏ ブログ 第5回
塩分を減らすコツ——高血圧改善のための食事術
📅 2025年8月 | 👤 白岩医院 院長
前回の記事(第4回)では、高血圧の基準や放置した場合のリスクについてお伝えしました。今回は「では実際に何をすればいいのか」という疑問に答えるべく、日常生活の中で無理なく取り組める塩分を減らすための食事のコツをご紹介します。
高血圧の改善に最も効果的な生活習慣のひとつが減塩です。日本人の平均的な食塩摂取量は1日あたり約10gとされていますが、高血圧の方には1日6g未満が推奨されています。「半分以下にするなんて無理」と感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていくことで十分に達成できます。
減塩は「我慢する食事」ではなく、「素材の味を活かす食事」への切り替えです。コツをつかめば、食事の満足感を落とさずに続けられます。
まず「塩分が多い食品」を知る
減塩の第一歩は、塩分が多く含まれる食品を把握することです。意外に思われるかもしれませんが、日本の食卓で塩分を多く摂りがちなのは次のような食品です。
! 特に注意
汁物・麺類
みそ汁1杯で約1.5g、ラーメン1杯で約5〜6g。汁を飲み干す習慣がある方は要注意です。
⚠ 要注意
漬物・加工食品
梅干し1個で約2g、ハム・ちくわなどの加工品も塩分が多め。「ヘルシーそう」な食品でも要確認です。
⚠ 要注意
調味料
しょうゆ大さじ1杯で約2.6g、みそ大さじ1杯で約2g。「かけすぎ」が積み重なります。
すぐに実践できる減塩の7つのコツ
すべてを一度に変えようとせず、できるところから一つずつ取り入れてみてください。
- 汁物は具を増やして汁を減らす——みそ汁はわかめや豆腐など具だくさんにすると、汁の量が減り自然に塩分を抑えられます。汁を全部飲み干さない習慣も効果的です。
- 調味料は「かける」より「つける」——しょうゆやソースは食材にかけず、小皿に少量とって先端だけにつけるだけで摂取量が大きく変わります。
- だしをしっかりとる——昆布・かつお・煮干しなどの天然だしをきかせると、少ない塩分でも旨味が増して物足りなさを感じません。市販の減塩だしパックを活用するのも手軽です。
- 酸味・香味野菜を活用する——レモン・酢・ゆずなどの酸味や、しそ・しょうが・にんにくなどの香りは、塩分が少なくても料理を引き締めてくれます。
- 加工食品・外食は「減塩」表示を選ぶ——同じ商品でも減塩タイプが増えています。購入時に栄養成分表示の「食塩相当量」を確認する習慣をつけましょう。
- 麺類の汁は残す——うどん・そば・ラーメンは麺自体より汁に大量の塩分が含まれています。汁を半分残すだけで1〜2g以上の削減になります。
- カリウムを多く含む食品をとる——野菜・果物・いも類に多く含まれるカリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けます。ただし腎臓病の方はカリウムの摂取に制限がある場合があるため、主治医にご確認ください。
減塩だけでどのくらい血圧が下がるのか
減塩の効果には個人差がありますが、食塩摂取量を1日6g未満に抑えることで、収縮期血圧(上の血圧)が5〜10mmHg程度下がるとされています。降圧薬1種類分に相当する効果が期待できる場合もあり、生活習慣の改善の中でも特に効果が高い取り組みのひとつです。
ただし、高血圧の程度や体質によって効果は異なります。減塩だけで十分な場合もありますが、内服治療と組み合わせることでより確実な管理ができます。自己判断で薬をやめたり変更したりせず、定期的に受診しながら一緒に取り組んでいきましょう。
📋 次回予告:第6回では「糖尿病の初期サイン——のどが渇く・疲れやすいは要注意」をテーマにお届けします。高血圧と糖尿病は合併しやすく、まとめて管理することが重要です。
「減塩を試みているけれど血圧が下がらない」「食事の改善について相談したい」という方は、白岩医院までお気軽にご相談ください。生活習慣の見直しと必要に応じた治療を合わせてサポートします。
白岩医院 院長