✏ ブログ 第8回
脂質異常症とは——コレステロールが高いと言われたら知っておきたいこと
📅 2025年9月 | 👤 白岩医院 院長
これまでのブログでは高血圧(第4・5回)と糖尿病(第6・7回)についてお伝えしてきました。今回は生活習慣病の3本柱のひとつ、「脂質異常症」を取り上げます。
健康診断の結果票に「LDLコレステロール高め」「中性脂肪が高い」と書かれていても、体に何も感じないため放置してしまう方が少なくありません。しかし脂質異常症は、高血圧・糖尿病と並んで動脈硬化を進める主要な原因であり、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める病気です。今回は、脂質異常症の基準・種類・放置した場合のリスク・改善のポイントについてわかりやすく解説します。
コレステロールは体に必要な物質ですが、バランスが崩れると血管を傷つけます。数値の意味を正しく理解して、早めに対処することが大切です。
脂質異常症とはどんな病気か
脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れた状態のことです。以前は「高脂血症」とも呼ばれていましたが、HDLコレステロール(善玉)が低すぎる場合も含まれるため、現在は「脂質異常症」という名称が使われています。
脂質異常症には主に3つのタイプがあります。健診結果票と照らし合わせて確認してみてください。
! 高LDLコレステロール血症
LDL(悪玉)が高い
LDL 140mg/dL以上。血管壁にコレステロールが蓄積し、動脈硬化を進める最も注意が必要なタイプです。
⚠ 低HDLコレステロール血症
HDL(善玉)が低い
HDL 40mg/dL未満。善玉コレステロールが少ないと、血管の修復・清掃機能が低下します。肥満や運動不足が原因になりやすいです。
⚠ 高トリグリセライド血症
中性脂肪が高い
中性脂肪(TG)150mg/dL以上。食べすぎ・飲みすぎ・運動不足が主な原因です。糖尿病や肥満と合併しやすいタイプです。
なぜ自覚症状がないのか
脂質異常症は、高血圧・糖尿病と同様に、ほとんどの場合自覚症状がありません。血液中のコレステロールが増えても痛みや不調は感じず、動脈硬化が静かに進行します。症状が現れるのは、心筋梗塞や脳卒中などの重大な合併症が起きたときであることが多く、「気づいたときには手遅れ」になりかねない病気です。
だからこそ、定期的な健康診断で数値を確認し、早期に対処することが非常に重要です。
放置した場合のリスク
脂質異常症を放置すると、血管の内側にコレステロールが蓄積して動脈硬化が進み、以下のような深刻な病気につながるリスクが高まります。高血圧や糖尿病を合併している場合は、リスクがさらに高くなります。
- 狭心症・心筋梗塞——心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりします。突然の胸痛・息切れが現れ、命に関わることがあります
- 脳梗塞・脳出血——脳の血管が詰まったり破れたりすることで、手足のまひ・言語障害などの後遺症が残る場合があります
- 閉塞性動脈硬化症——足の血管が狭くなることで、歩行時に足がだるくなったり痛んだりします。進行すると足の壊疽につながることもあります
改善のための生活習慣
脂質異常症は、生活習慣の改善によって数値が改善するケースが多くあります。まずは以下の点を意識してみてください。
✓ 食事の改善
- 飽和脂肪酸(バター・ラード・肉の脂身)を控える
- 青魚(さば・いわし・さんま)を積極的にとる
- 野菜・きのこ・海藻で食物繊維を増やす
- 甘いものや精製された炭水化物を控える(中性脂肪対策)
- アルコールを控える(中性脂肪対策)
✓ 運動・生活習慣
- ウォーキングなどの有酸素運動を週3回以上
- 1日30分程度の軽い運動を習慣にする
- 禁煙(喫煙はHDLを下げ動脈硬化を促進)
- 適正体重の維持(肥満はLDL・中性脂肪を上げやすい)
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合や、すでに心筋梗塞・脳梗塞を経験している方、糖尿病・高血圧を合併している方には、内服薬による治療が必要になることがあります。自己判断せず、まずは受診して現在の状態を確認することをお勧めします。
📋 次回予告:第9回では「メタボリックシンドロームとは——高血圧・糖尿病・脂質異常症が重なると何が起きるか」をお届けします。3回にわたってお伝えしてきた生活習慣病をまとめて解説します。
「健診でコレステロールや中性脂肪が高いと言われた」という方は、白岩医院までお気軽にご相談ください。血液検査をもとに、現状と今後の対応についていっしょに考えます。
白岩医院 院長