✏ ブログ 第9回
メタボリックシンドロームとは——高血圧・糖尿病・脂質異常症が重なると何が起きるか
📅 2025年10月 | 👤 白岩医院 院長
第4回から8回にわたって、高血圧・糖尿病・脂質異常症という3つの生活習慣病についてお伝えしてきました。今回はその総まとめとして、これらが重なったときに何が起きるのか——「メタボリックシンドローム(メタボ)」についてわかりやすく解説します。
「メタボ」という言葉はよく耳にするものの、「太っていることでしょう?」と軽く考えている方も多いのではないでしょうか。しかしメタボリックシンドロームは、心筋梗塞や脳卒中のリスクを数倍に高める、見過ごせない状態です。
生活習慣病はそれぞれ単独でも危険ですが、重なることでリスクが掛け算的に増大します。「どれかひとつだから大丈夫」とは言えません。
メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積を基盤として、高血圧・高血糖・脂質異常症が重なった状態です。日本では以下の基準で診断されます。
必須条件(これがなければ該当しません)
腹囲:男性 85cm以上 / 女性 90cm以上(内臓脂肪面積100cm²以上に相当)
以下の3項目のうち2つ以上が該当
- 血圧:収縮期130mmHg以上、または拡張期85mmHg以上
- 血糖:空腹時血糖110mg/dL以上
- 脂質:中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満
なぜ「重なる」と危険なのか
高血圧・高血糖・脂質異常症はそれぞれ単独でも動脈硬化を進めますが、複数が重なると血管へのダメージが掛け算のように増大します。たとえば、これらのリスク因子をひとつ持つ人の心筋梗塞リスクを「1」とすると、3つ重なった場合は約31倍にもなるとされています。
また、内臓脂肪から分泌される物質がインスリンの働きを妨げ、血圧・血糖・脂質のすべてを悪化させる悪循環を生みます。これがメタボリックシンドロームの本質であり、「内臓脂肪を減らす」ことが最も根本的な対策となる理由です。
メタボの改善——何から始めるか
メタボリックシンドロームの改善には、これまでのブログでご紹介した生活習慣の改善が総合的に有効です。特に内臓脂肪を減らすことを意識して取り組みましょう。
✓ 食事
- 食べすぎを防ぎ、腹八分目を意識する
- 野菜・食物繊維を先に食べる(ベジファースト)
- 塩分・糖質・脂質のとりすぎを控える
- 夜遅い食事・まとめ食いを避ける
✓ 運動
- ウォーキングなど有酸素運動を週3回以上
- 1回30分程度を目安に継続する
- エレベーターより階段、一駅歩くなど日常に組み込む
- 筋トレを組み合わせると基礎代謝が上がりやすい
✓ 生活習慣
- 禁煙(喫煙は動脈硬化を著しく促進する)
- アルコールは適量を守る
- 十分な睡眠をとる(睡眠不足は肥満・血糖上昇を招く)
- ストレスを溜めすぎない
特定健診(メタボ健診)を活用しましょう
40歳から74歳の方を対象に、毎年実施される「特定健康診査(特定健診)」は、メタボリックシンドロームの早期発見を目的とした健診です。腹囲・血圧・血糖・脂質をまとめて確認できるため、自分の状態を把握するうえで非常に有用です。
健診の結果によっては「特定保健指導」として、医師・保健師・管理栄養士によるサポートを受けることができます。受診票が届いている方は、ぜひ積極的に活用してください。当院でも特定健診を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
📋 次回予告:第10回では「白岩医院の初診の流れ——はじめての方へ」をお届けします。生活習慣病が気になってきた方が、実際に受診するまでの流れをわかりやすくご案内します。
「健診でメタボと言われた」「複数の数値が気になる」という方は、白岩医院までお気軽にご相談ください。血圧・血糖・脂質をまとめて確認し、生活習慣の改善と必要に応じた治療をいっしょに進めます。
白岩医院 院長