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白岩医院ブログ BLOG

麻疹(はしか)2026年6月

感染症情報・2026年流行中

麻疹(はしか)が流行しています——
あなたの免疫を確認してください

2026年6月更新 白岩医院 院長 読了約4分

2026年 国内麻疹流行状況(最終更新:2026年6月)

436人+ 2026年累計感染者数
(5月8日時点)
約4.5倍 2025年同期比
過去10年で最多水準
約83% 感染者が15〜49歳
子どもの病気ではない

⚠ 東京都(211人)・神奈川県(40人)・鹿児島県(34人)を中心に全国で拡大中。渡航歴のない国内感染が全体の約7割を占めます。国立健康危機管理研究機構(JIHS)は「2009年以降で最大の流行となる可能性」を指摘しています。

麻疹(はしか)は「子どもの病気」ではありません。今の流行では感染者の8割以上が10代〜40代の活動世代です。麻疹は感染力が極めて強く、免疫がない人が感染するとほぼ100%発症します。唯一確実な予防法はワクチンです。まず「自分に免疫があるかどうか」を確認してください。

麻疹(はしか)とはどんな病気?

麻疹ウイルスによる急性の感染症です。感染力は既知のウイルスの中で最強クラスで、同じ部屋にいるだけで空気感染します。免疫のない人が感染した場合の発症率はほぼ100%です。

麻疹の感染力の強さ
麻疹の基本再生産数(R₀)は12〜18。1人の感染者が免疫のない集団の中で12〜18人に感染させます(インフルエンザは2〜3)。マスクや手洗いだけでは防げません。ワクチンによる免疫だけが確実な予防策です。

症状の経過

感染から発症まで約10〜12日。発症後は3つのステージをたどります。「かぜと似た症状」から始まるため、初期は麻疹と気づきにくいのが特徴です。

1

カタル期(発症〜3〜4日)——かぜに似た症状

38〜39℃の発熱・咳・鼻水・目の充血(結膜炎)が続く。口の中の頬粘膜に「コプリック斑」(白い小さな斑点)が現れるのが麻疹の特徴的な所見。この時期が最も感染力が高く、周囲に広げやすいので特に注意。

2

発疹期(4〜5日目〜)——高熱と全身の発疹

一度下がりかけた熱が再び40℃前後に上昇し、耳の後ろ・顔から全身へ赤い発疹が広がる。咳・鼻水・結膜炎も最も強くなる時期。強いだるさで起き上がれないことも。

3

回復期(発疹出現から3〜4日後)——発熱・発疹が消退

熱が下がり、発疹は色素沈着(茶褐色のシミ)を残しながら消えていく。全身の倦怠感はしばらく続く。発疹が消えてから3日が経過するまでは感染性が残る。

怖い合併症

麻疹は「ただのかぜ」ではありません。成人の合併症率は子どもより高くなります。

肺炎(最多の合併症・約1,000人に1人が死亡)
脳炎(約1,000人に1人が発症・後遺症のリスク)
中耳炎・副鼻腔炎
SSPE(亜急性硬化性全脳炎)感染から数年後に発症する致死的な脳疾患(まれ)
免疫記憶の消失(「immune amnesia」)感染後に他の感染症への抵抗力が数年間低下する

特に注意が必要な方

免疫のない方・免疫が弱い方は重症化リスクが高くなります。

ワクチン未接種・1回のみ接種の方
妊娠中の方流早産のリスク。妊娠中はワクチン接種不可のため、妊娠前の確認が重要
1歳未満の乳児ワクチンを接種できない年齢。家族の免疫が最大の防御
免疫が低下している方がん治療中・ステロイド長期使用・臓器移植後など

あなたはどのグループ? ——年代別の免疫リスク

日本の麻疹ワクチン接種制度は何度も変更されており、生まれた年代によって免疫の持ち方が大きく異なります。母子手帳でご自分の接種歴を確認してください。

1972〜1990年生まれ
現在36〜54歳
ワクチン1回のみの時期に接種。または接種歴が不明。今回の流行で特に感染が多い「空白世代」。接種歴の確認と必要に応じた追加接種を強く推奨 要確認
1990〜2005年生まれ
現在21〜36歳
1回接種の制度のもとで育ったが、接種率にばらつきあり。2026年の感染者に20〜30代が多い世代。接種回数を母子手帳で確認を 要確認
1957年以前生まれ
現在69歳以上
麻疹が流行していた時代に自然感染した可能性が高く、免疫を持つ方が多い。ただし罹患歴が曖昧な方は抗体検査を検討 比較的安心
2006年以降生まれ
現在20歳以下
MRワクチン2回接種制度のもとで育った世代。2回接種が確認できれば免疫獲得率は約97%と高い。母子手帳で2回確認を 2回確認を
接種歴が不明な場合は「迷ったら接種」で問題ありません。すでに抗体がある状態でワクチンを接種しても健康上のリスクはなく、免疫がより強固になります(WHOも推奨)。抗体検査で確認してから接種するかどうかはご相談ください。

ワクチンによる予防 最重要

麻疹の予防はワクチン一択です。MRワクチン(麻疹・風疹混合)2回接種で、約97%の免疫獲得が期待できます。

ワクチンの種類 対象・特徴 接種費用
MRワクチン
(麻疹・風疹)
1歳〜の定期接種(2回)。成人の任意接種にも広く使用。国内で安定供給 定期接種:無料
任意(成人):自費
MMRワクチン
(麻疹・風疹・おたふくかぜ)
2026年3月に約30年ぶりに新MMRが承認(第一三共「ミムリット」)。3疾患をまとめて予防できるため成人に特に有用 任意(成人):自費

定期接種のスケジュール(お子さん)

第1期:1歳〜2歳未満標準的な接種時期は1歳になってすぐ
第2期:小学校入学前1年間(5〜7歳未満)就学前年の4月1日〜翌3月31日が無料接種期間
0歳の赤ちゃんはワクチン接種不可家族全員の免疫確認が赤ちゃんを守る唯一の方法

成人・要確認の方(任意接種)

接種歴が不明または1回のみの方
妊娠を希望している方妊娠中は接種不可。妊娠前に確認・接種を。接種後2か月は避妊が必要
医療・介護・教育など多くの人と接する職業の方
海外渡航(特にアジア・中東・アフリカ)を予定している方
成人の麻疹ワクチン接種は原則として自費(任意接種)です。費用は医療機関によって異なります。接種前に必ず医師に現在の健康状態・アレルギー・妊娠の可能性などをお伝えください。

また、妊娠中の方は生ワクチン(MR・MMR)を接種できません。流行中に心配な方は、まずご相談ください。

麻疹の患者と接触してしまったら

感染が疑われる人と接触した場合、早急な対応が発症予防につながることがあります。

🚨 麻疹患者との接触が判明したら、まず電話でご相談ください

接触から72時間(3日)以内であれば、MR/MMRワクチンの緊急接種で発症を予防できる可能性があります
✔ 免疫不全者・乳児・妊婦など「ワクチンを打てない方」には、免疫グロブリン製剤(接触から6日以内)が選択肢になる場合があります
発症が疑われる場合は来院前に必ず電話を。院内での感染拡大を防ぐため、直接来院しないでください

白岩医院にご相談いただけること

麻疹の免疫確認・ワクチン接種についてお気軽にご相談ください。接触後の緊急相談も受け付けています。

  • 自分の麻疹ワクチン接種歴・免疫があるか確認したい
  • MRワクチンを接種したい
  • 麻疹IgG抗体検査(血液検査)を受けたい
  • 妊娠を考えており、麻疹・風疹の免疫を事前に確認したい

麻疹の患者さんに似た症状(発熱・発疹・咳・目の充血)がある場合は、来院前に必ずお電話ください(TEL: 0247-77-2036)。他の患者さんへの感染を防ぐため、診察の時間や入口を調整いたします。また、予防接種(ワクチン)もお電話での予約となります。どうぞよろしくお願いいたします。