麻疹(はしか)が流行しています——
あなたの免疫を確認してください
2026年 国内麻疹流行状況(最終更新:2026年6月)
(5月8日時点)
過去10年で最多水準
子どもの病気ではない
⚠ 東京都(211人)・神奈川県(40人)・鹿児島県(34人)を中心に全国で拡大中。渡航歴のない国内感染が全体の約7割を占めます。国立健康危機管理研究機構(JIHS)は「2009年以降で最大の流行となる可能性」を指摘しています。
麻疹(はしか)は「子どもの病気」ではありません。今の流行では感染者の8割以上が10代〜40代の活動世代です。麻疹は感染力が極めて強く、免疫がない人が感染するとほぼ100%発症します。唯一確実な予防法はワクチンです。まず「自分に免疫があるかどうか」を確認してください。
麻疹(はしか)とはどんな病気?
麻疹ウイルスによる急性の感染症です。感染力は既知のウイルスの中で最強クラスで、同じ部屋にいるだけで空気感染します。免疫のない人が感染した場合の発症率はほぼ100%です。
麻疹の基本再生産数(R₀)は12〜18。1人の感染者が免疫のない集団の中で12〜18人に感染させます(インフルエンザは2〜3)。マスクや手洗いだけでは防げません。ワクチンによる免疫だけが確実な予防策です。
症状の経過
感染から発症まで約10〜12日。発症後は3つのステージをたどります。「かぜと似た症状」から始まるため、初期は麻疹と気づきにくいのが特徴です。
カタル期(発症〜3〜4日)——かぜに似た症状
38〜39℃の発熱・咳・鼻水・目の充血(結膜炎)が続く。口の中の頬粘膜に「コプリック斑」(白い小さな斑点)が現れるのが麻疹の特徴的な所見。この時期が最も感染力が高く、周囲に広げやすいので特に注意。
発疹期(4〜5日目〜)——高熱と全身の発疹
一度下がりかけた熱が再び40℃前後に上昇し、耳の後ろ・顔から全身へ赤い発疹が広がる。咳・鼻水・結膜炎も最も強くなる時期。強いだるさで起き上がれないことも。
回復期(発疹出現から3〜4日後)——発熱・発疹が消退
熱が下がり、発疹は色素沈着(茶褐色のシミ)を残しながら消えていく。全身の倦怠感はしばらく続く。発疹が消えてから3日が経過するまでは感染性が残る。
怖い合併症
麻疹は「ただのかぜ」ではありません。成人の合併症率は子どもより高くなります。
特に注意が必要な方
免疫のない方・免疫が弱い方は重症化リスクが高くなります。
あなたはどのグループ? ——年代別の免疫リスク
日本の麻疹ワクチン接種制度は何度も変更されており、生まれた年代によって免疫の持ち方が大きく異なります。母子手帳でご自分の接種歴を確認してください。
現在36〜54歳 ワクチン1回のみの時期に接種。または接種歴が不明。今回の流行で特に感染が多い「空白世代」。接種歴の確認と必要に応じた追加接種を強く推奨 要確認
現在21〜36歳 1回接種の制度のもとで育ったが、接種率にばらつきあり。2026年の感染者に20〜30代が多い世代。接種回数を母子手帳で確認を 要確認
現在69歳以上 麻疹が流行していた時代に自然感染した可能性が高く、免疫を持つ方が多い。ただし罹患歴が曖昧な方は抗体検査を検討 比較的安心
現在20歳以下 MRワクチン2回接種制度のもとで育った世代。2回接種が確認できれば免疫獲得率は約97%と高い。母子手帳で2回確認を 2回確認を
ワクチンによる予防 最重要
麻疹の予防はワクチン一択です。MRワクチン(麻疹・風疹混合)2回接種で、約97%の免疫獲得が期待できます。
| ワクチンの種類 | 対象・特徴 | 接種費用 |
|---|---|---|
| MRワクチン (麻疹・風疹) |
1歳〜の定期接種(2回)。成人の任意接種にも広く使用。国内で安定供給 | 定期接種:無料 任意(成人):自費 |
| MMRワクチン (麻疹・風疹・おたふくかぜ) |
2026年3月に約30年ぶりに新MMRが承認(第一三共「ミムリット」)。3疾患をまとめて予防できるため成人に特に有用 | 任意(成人):自費 |
定期接種のスケジュール(お子さん)
成人・要確認の方(任意接種)
また、妊娠中の方は生ワクチン(MR・MMR)を接種できません。流行中に心配な方は、まずご相談ください。
麻疹の患者と接触してしまったら
感染が疑われる人と接触した場合、早急な対応が発症予防につながることがあります。
✔ 接触から72時間(3日)以内であれば、MR/MMRワクチンの緊急接種で発症を予防できる可能性があります
✔ 免疫不全者・乳児・妊婦など「ワクチンを打てない方」には、免疫グロブリン製剤(接触から6日以内)が選択肢になる場合があります
✔ 発症が疑われる場合は来院前に必ず電話を。院内での感染拡大を防ぐため、直接来院しないでください
白岩医院にご相談いただけること
麻疹の免疫確認・ワクチン接種についてお気軽にご相談ください。接触後の緊急相談も受け付けています。
- ›自分の麻疹ワクチン接種歴・免疫があるか確認したい
- ›MRワクチンを接種したい
- ›麻疹IgG抗体検査(血液検査)を受けたい
- ›妊娠を考えており、麻疹・風疹の免疫を事前に確認したい
麻疹の患者さんに似た症状(発熱・発疹・咳・目の充血)がある場合は、来院前に必ずお電話ください(TEL: 0247-77-2036)。他の患者さんへの感染を防ぐため、診察の時間や入口を調整いたします。また、予防接種(ワクチン)もお電話での予約となります。どうぞよろしくお願いいたします。