慢性腎臓病(CKD)について、
知っておきたいこと
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が3か月以上にわたって低下している状態です。初期はほとんど症状がなく、気づいたときにはかなり進行していることも少なくありません。高血圧・糖尿病・脂質異常症との深い関係があり、「生活習慣病のまとめどころ」ともいえる病気です。早めに気づいて管理することで、透析を遠ざけることができます。
慢性腎臓病(CKD)とはどんな病気?
腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出し、血圧・水分・ミネラルのバランスを整える大切な臓器です。CKDとは、この腎臓の働きが慢性的に低下した状態の総称で、次の2つのどちらかが3か月以上続く場合に診断されます。
① 腎機能の低下
eGFR(推算糸球体ろ過量)が60mL/分/1.73㎡未満。血液検査のクレアチニン値などから計算します。
② 腎臓の障害の証拠
尿検査で蛋白尿・血尿が続く場合、腎臓に何らかの障害がある可能性があります。
重症度の分類(eGFRステージ) GL2023 準拠
CKDの重症度は、腎機能(eGFR)と蛋白尿の程度を組み合わせて評価します。eGFRのステージは以下のとおりです。数値が低いほど腎機能が低下しています。
| ステージ | eGFR(mL/分/1.73㎡) | 状態 | 対応の目安 |
|---|---|---|---|
| G1 | 90 以上 | 正常または高値 | 生活習慣の改善・経過観察 |
| G2 | 60〜89 | 正常または軽度低下 | 原因疾患の治療・定期検査 |
| G3a | 45〜59 | 軽度〜中等度低下 | かかりつけ医での管理・専門医紹介を検討 |
| G3b | 30〜44 | 中等度〜高度低下 | 原則として腎臓専門医への受診を推奨 |
| G4 | 15〜29 | 高度低下 | 専門医管理・腎代替療法の準備 |
| G5 | 15 未満 | 高度低下〜末期腎不全 | 透析・腎移植の検討が必要 |
気になるサイン・主な原因
こんな症状ありませんか
初期はほぼ無症状。症状が出るころには、かなり進行していることがあります。
CKDを引き起こす主な原因
日本では糖尿病・高血圧が2大原因です。生活習慣病の管理が腎臓を守ることに直結します。
CKDの主な検査
CKDは血液検査・尿検査で発見できます。健診の結果に「クレアチニン高値」「尿蛋白陽性」があった場合は、早めにご相談ください。
| 検査 | わかること |
|---|---|
| 血液検査(クレアチニン・eGFR) | 腎臓のろ過機能を数値で評価。eGFRを算出してステージを確認します |
| 尿検査(蛋白尿・アルブミン尿) | 腎臓の障害の有無を確認。糖尿病の方は微量アルブミン尿の測定が重要です |
| 血液検査(電解質・貧血) | 腎臓病に伴うカリウム・リン・ヘモグロビンの異常を確認します |
| 血圧測定 | CKD患者は高血圧を合併しやすく、血圧管理が腎機能保護の基本です |
| 腹部超音波検査 | 腎臓の大きさ・形・腫瘤・結石・嚢胞などを確認します |
治療の基本的な考え方 GL2023 準拠
CKDの治療は「腎機能の低下をできるだけ遅らせること」と「心血管疾患を予防すること」が2大目標です。原因となる高血圧・糖尿病などの管理と、食事・生活習慣の改善が柱になります。
血圧の管理
CKD患者の降圧目標は「130/80mmHg未満」(GL2023)。蛋白尿がある場合はACE阻害薬やARBが腎保護効果を持ちます。
血糖・脂質の管理
糖尿病合併CKDでは血糖管理が腎症の進行抑制に直結。SGLT2阻害薬は腎保護効果も認められています。
食事と日常生活でできること
CKDでは食事管理が治療の大きな柱です。ただし、ステージや合併症の状態によって制限の内容が変わります。自己判断でたんぱく質を大幅に制限すると、栄養不足になることもあります。必ず医師・栄養士と相談しながら進めましょう。
減塩を徹底する(1日6g未満)
血圧を下げ、蛋白尿を減らし、腎臓の負担を直接軽くします
たんぱく質を摂りすぎない
ステージが進むほど制限が必要に。肉・魚・卵の量を医師と相談
適度な運動を続ける
ウォーキングなど軽い有酸素運動は腎機能の維持に役立ちます
体重・血圧を毎日記録する
変化をいち早くキャッチするために欠かせません
禁煙する
喫煙は腎機能の低下を加速させます。禁煙外来もご相談ください
薬の飲み方に気をつける
NSAIDs(痛み止め)や造影剤は腎臓に負担をかけることがあります。服用前にご相談を
発熱・下痢・嘔吐・食欲低下など、体調が悪いとき(シックデイ)は腎機能が急激に悪化することがあります。 脱水になりやすく、一部の薬(降圧薬・糖尿病薬など)は一時的に中止が必要な場合があります。 自己判断せず、まずはお電話でご相談ください。
こんなとき、白岩医院にご相談ください
「健診で引っかかったけど、どうすればいい?」というときも、まずはかかりつけ医にご相談ください。
- ›健診でクレアチニン高値・eGFR低下・尿蛋白を指摘された
- ›尿の泡立ちが続く・足のむくみが気になる
- ›高血圧・糖尿病・脂質異常症があり、腎臓への影響が心配
- ›CKDと診断されているが、食事や薬の管理について相談したい
- ›腎臓専門医への紹介が必要かどうか判断してほしい
- ›透析にならないよう、今からできることを知りたい
CKDは「進行を遅らせることができる病気」です。高血圧・糖尿病・脂質異常症・心不全とまとめて管理しながら、腎臓を守るサポートを続けます。専門病院への紹介が必要な場合も、連携してスムーズに対応します。どうぞお気軽にご相談ください。
受診のご案内はこちら ›