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慢性腎臓病 explanation

病気の説明

慢性腎臓病(CKD)について、
知っておきたいこと

2026年6月更新 白岩医院 院長 読了約4分

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が3か月以上にわたって低下している状態です。初期はほとんど症状がなく、気づいたときにはかなり進行していることも少なくありません。高血圧・糖尿病・脂質異常症との深い関係があり、「生活習慣病のまとめどころ」ともいえる病気です。早めに気づいて管理することで、透析を遠ざけることができます。

慢性腎臓病(CKD)とはどんな病気?

腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出し、血圧・水分・ミネラルのバランスを整える大切な臓器です。CKDとは、この腎臓の働きが慢性的に低下した状態の総称で、次の2つのどちらかが3か月以上続く場合に診断されます。

① 腎機能の低下

eGFR(推算糸球体ろ過量)が60mL/分/1.73㎡未満。血液検査のクレアチニン値などから計算します。

eGFRは「腎臓がどのくらい血液をろ過できているか」の目安年齢・性別・血清クレアチニン値から算出します(JSN eGFR)
健診の血液検査でクレアチニンが基準値を超えていたら要確認

② 腎臓の障害の証拠

尿検査で蛋白尿・血尿が続く場合、腎臓に何らかの障害がある可能性があります。

健診の尿検査で「蛋白(+)」と出たときは要注意蛋白尿は腎臓が傷んでいるサインです
血尿と蛋白尿が同時にある場合は特に注意が必要
ℹ 日本のCKD患者数は推計約1,480万人(成人の約8人に1人)といわれています。高血圧・糖尿病・加齢などが主な原因で、誰にでも起こりえる身近な病気です。

重症度の分類(eGFRステージ) GL2023 準拠

CKDの重症度は、腎機能(eGFR)と蛋白尿の程度を組み合わせて評価します。eGFRのステージは以下のとおりです。数値が低いほど腎機能が低下しています。

ステージ eGFR(mL/分/1.73㎡) 状態 対応の目安
G1 90 以上 正常または高値 生活習慣の改善・経過観察
G2 60〜89 正常または軽度低下 原因疾患の治療・定期検査
G3a 45〜59 軽度〜中等度低下 かかりつけ医での管理・専門医紹介を検討
G3b 30〜44 中等度〜高度低下 原則として腎臓専門医への受診を推奨
G4 15〜29 高度低下 専門医管理・腎代替療法の準備
G5 15 未満 高度低下〜末期腎不全 透析・腎移植の検討が必要
⚠ CKD診療ガイドライン2023では、eGFR 45未満(G3b以降)の場合は原則として腎臓専門医・専門医療機関への受診が推奨されています。白岩医院では状態を確認し、必要に応じて連携病院への紹介を速やかに行います。

気になるサイン・主な原因

こんな症状ありませんか

初期はほぼ無症状。症状が出るころには、かなり進行していることがあります。

むくみ(特に足・顔・まぶた)腎臓が水分を排出しにくくなるサイン
尿の泡立ちが続く蛋白尿の可能性。洗面器の水面に泡が残る
尿の量が増えた・減った・夜間に頻尿
疲れやすい・だるさが続く(貧血)
血圧が上がりにくくなった/逆に高くなった
食欲がない・吐き気(進行期のサイン)

CKDを引き起こす主な原因

日本では糖尿病・高血圧が2大原因です。生活習慣病の管理が腎臓を守ることに直結します。

糖尿病(糖尿病関連腎臓病)CKDの最大の原因。全透析患者の約4割を占める
高血圧(高血圧性腎硬化症)長年の高血圧が腎臓の血管を傷める
慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)
脂質異常症・肥満・喫煙
加齢(高齢になるほどeGFRは低下しやすい)
鎮痛剤・造影剤などの薬剤性腎障害

CKDの主な検査

CKDは血液検査・尿検査で発見できます。健診の結果に「クレアチニン高値」「尿蛋白陽性」があった場合は、早めにご相談ください。

検査 わかること
血液検査(クレアチニン・eGFR) 腎臓のろ過機能を数値で評価。eGFRを算出してステージを確認します
尿検査(蛋白尿・アルブミン尿) 腎臓の障害の有無を確認。糖尿病の方は微量アルブミン尿の測定が重要です
血液検査(電解質・貧血) 腎臓病に伴うカリウム・リン・ヘモグロビンの異常を確認します
血圧測定 CKD患者は高血圧を合併しやすく、血圧管理が腎機能保護の基本です
腹部超音波検査 腎臓の大きさ・形・腫瘤・結石・嚢胞などを確認します
ℹ eGFRは1〜3年で40%以上の低下、または年間5mL/分/1.73㎡を超える低下がある場合、CKDの進行が速いと判断されます(GL2023)。定期的な検査で変化を追うことが大切です。

治療の基本的な考え方 GL2023 準拠

CKDの治療は「腎機能の低下をできるだけ遅らせること」と「心血管疾患を予防すること」が2大目標です。原因となる高血圧・糖尿病などの管理と、食事・生活習慣の改善が柱になります。

血圧の管理

CKD患者の降圧目標は「130/80mmHg未満」(GL2023)。蛋白尿がある場合はACE阻害薬やARBが腎保護効果を持ちます。

蛋白尿がある場合 → ACE阻害薬・ARBを優先的に使用
家庭血圧の毎日測定・記録が重要
塩分制限(1日6g未満)が降圧と腎保護に直結

血糖・脂質の管理

糖尿病合併CKDでは血糖管理が腎症の進行抑制に直結。SGLT2阻害薬は腎保護効果も認められています。

HbA1c 7.0%未満を基本目標に(低血糖に注意)
SGLT2阻害薬は糖尿病非合併CKDにも推奨(GL2023)
LDLコレステロールの管理も心血管リスク低減に重要

食事と日常生活でできること

CKDでは食事管理が治療の大きな柱です。ただし、ステージや合併症の状態によって制限の内容が変わります。自己判断でたんぱく質を大幅に制限すると、栄養不足になることもあります。必ず医師・栄養士と相談しながら進めましょう。

減塩を徹底する(1日6g未満)

血圧を下げ、蛋白尿を減らし、腎臓の負担を直接軽くします

たんぱく質を摂りすぎない

ステージが進むほど制限が必要に。肉・魚・卵の量を医師と相談

適度な運動を続ける

ウォーキングなど軽い有酸素運動は腎機能の維持に役立ちます

体重・血圧を毎日記録する

変化をいち早くキャッチするために欠かせません

禁煙する

喫煙は腎機能の低下を加速させます。禁煙外来もご相談ください

薬の飲み方に気をつける

NSAIDs(痛み止め)や造影剤は腎臓に負担をかけることがあります。服用前にご相談を

💡 カリウム・リンの制限は、ステージが進んだ場合(G3b〜)に必要になることがあります。野菜・果物・乳製品・加工食品の量については、状態に合わせて個別に指導します。
🚨 こんなときは早めにご連絡ください(シックデイ対応)
発熱・下痢・嘔吐・食欲低下など、体調が悪いとき(シックデイ)は腎機能が急激に悪化することがあります。 脱水になりやすく、一部の薬(降圧薬・糖尿病薬など)は一時的に中止が必要な場合があります。 自己判断せず、まずはお電話でご相談ください。

こんなとき、白岩医院にご相談ください

「健診で引っかかったけど、どうすればいい?」というときも、まずはかかりつけ医にご相談ください。

  • 健診でクレアチニン高値・eGFR低下・尿蛋白を指摘された
  • 尿の泡立ちが続く・足のむくみが気になる
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症があり、腎臓への影響が心配
  • CKDと診断されているが、食事や薬の管理について相談したい
  • 腎臓専門医への紹介が必要かどうか判断してほしい
  • 透析にならないよう、今からできることを知りたい

CKDは「進行を遅らせることができる病気」です。高血圧・糖尿病・脂質異常症・心不全とまとめて管理しながら、腎臓を守るサポートを続けます。専門病院への紹介が必要な場合も、連携してスムーズに対応します。どうぞお気軽にご相談ください。

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