狭心症・心筋梗塞について、
知っておきたいこと
「階段を上ると胸が苦しくなる」「胸が締め付けられる感じがする」——そんなサインを見逃していませんか?狭心症・心筋梗塞は、心臓に血液を送る冠動脈が詰まることで起こります。福島県では急性心筋梗塞による死亡率が全国1位。でも、生活習慣の改善と早めの受診で、命にかかわる発作を防ぐことができます。
狭心症・心筋梗塞とはどんな病気?
心臓は1日に約10万回拍動し、全身に血液を送り続けています。その心臓自身に血液(酸素)を届けているのが冠動脈という3本の血管です。この冠動脈が動脈硬化などによって狭くなったり詰まったりすると、心臓の筋肉(心筋)が酸素不足になり、胸の痛みや苦しさが起こります。
狭心症 ——一時的な酸素不足
冠動脈が狭くなっているが、完全には詰まっていない状態。心筋の酸素不足が一時的に起こります。
心筋梗塞 ——冠動脈の完全閉塞
冠動脈のプラーク(脂のかたまり)が破裂し、血栓で完全に詰まった状態。心筋が壊死します。
こんな症状、ありませんか?
胸の痛みや苦しさは「心臓のSOS」です。以下のような症状が続く、または突然現れた場合はすぐにご相談ください。
狭心症・心筋梗塞に多い症状
見逃しやすいサイン
「心臓の症状らしくない」形で現れることもあります。
なりやすい方の特徴・リスク因子 JCS2023 一次予防GL
冠動脈疾患の一次予防ガイドライン(2023年改訂版)では、以下のリスク因子の管理が発症予防の柱とされています。複数重なるほどリスクは急増します。
| リスク因子 | 心臓への影響 | 対策の目安 |
|---|---|---|
| 高血圧 | 冠動脈壁への負担が続き、動脈硬化を加速させる | 降圧目標 130/80mmHg未満 |
| 脂質異常症(高LDL) | LDLコレステロールが冠動脈壁に蓄積し、プラークを形成する | リスクに応じたLDL目標値(最低でも140未満) |
| 糖尿病・高血糖 | 血管の内皮を傷め、動脈硬化を促進。無症候性心筋虚血のリスクも高まる | HbA1c 7.0%未満を目標に |
| 喫煙 | 血管を収縮させ、血栓をできやすくする。冠動脈疾患リスクを2〜4倍に高める | 禁煙(禁煙外来をご活用ください) |
| 肥満・メタボリックシンドローム | 高血圧・高血糖・脂質異常が重なり、リスクが急増する | BMI 25未満・腹囲基準内を目標に |
| 加齢・家族歴 | 男性45歳以上・女性55歳以上でリスク増加。家族に若い心筋梗塞患者がいる場合も要注意 | 早めの定期検査・生活習慣管理 |
どうやって調べるの?(主な検査)
「胸が痛い」という訴えに対し、白岩医院では院内でできる検査を行い、必要に応じて速やかに専門病院へ紹介します。
| 検査 | わかること |
|---|---|
| 心電図 | 心筋虚血・心筋梗塞の痕・不整脈などを確認。発作時に特徴的な変化が現れます |
| 血液検査(心筋酵素・トロポニン) | 心筋が傷んだときに放出されるタンパク質を測定。心筋梗塞の診断に必須の検査 |
| 胸部X線 | 心臓の大きさ・肺への影響(うっ血)を確認 |
| 心臓超音波(エコー) | 心臓の動き・壁の厚さ・ポンプ機能を評価。虚血の範囲も確認できます |
| 冠動脈CT・カテーテル検査 (専門病院) | 冠動脈の狭窄部位・程度を直接確認。カテーテルはそのままPCI治療に移行できます |
治療の流れ 急性期〜長期管理
狭心症・心筋梗塞の治療は、発症のタイミングと重症度によって大きく異なります。急性期は専門病院で緊急対応が必要ですが、その後の長期管理はかかりつけ医が担います。
急性期(発症〜数時間):緊急治療
心筋梗塞が疑われる場合、119番で救急搬送が最優先です。病院到着から90分以内にカテーテル治療(PCI)で血管を開通させることが目標。時間との勝負です。
入院中:血行再建と薬物療法
PCI(経皮的冠動脈インターベンション)でステントを留置して冠動脈を広げます。重症例では冠動脈バイパス手術(CABG)が行われることも。抗血小板薬・スタチンなどが開始されます。
退院後:薬の継続と心臓リハビリ
抗血小板薬(アスピリン+もう1種類)を少なくとも1年間継続します。心臓リハビリ(有酸素運動プログラム)は再発・死亡リスクを下げることが証明されています。
長期管理(かかりつけ医):二次予防
スタチン(LDL低下薬)・β遮断薬・ACE阻害薬・抗血小板薬の継続が二次予防の基本。白岩医院では専門病院と連携しながら、高血圧・糖尿病・脂質異常症をまとめて管理します。
安定狭心症:薬物療法と定期管理
硝酸薬(ニトログリセリン)・β遮断薬・Ca拮抗薬などで症状をコントロール。症状が変化した場合(不安定化)はすぐにご連絡ください。
発症・再発を防ぐために JCS2023 一次予防GL
冠動脈疾患は「予防できる病気」です。リスク因子をひとつずつ改善することが、発症・再発防止の最も確実な方法です。
血圧・血糖・脂質を定期管理
三大リスク因子の管理が最も重要。かかりつけ医で継続的に確認を
禁煙する(最重要)
禁煙はすべての心血管リスク対策の中で最も効果が大きい。禁煙外来をご活用ください
適度な有酸素運動
週150分のウォーキングが目安。心臓リハビリは再発リスクを大きく下げます
減塩・脂質に気をつけた食事
魚・野菜・大豆中心の食事で。飽和脂肪酸・塩分・糖分を控えめに
適正体重を保つ
BMI 25未満・腹囲基準内が目標。5〜10%の体重減少でリスクが大幅に下がります
処方薬を続ける
スタチン・抗血小板薬は「症状がなくても」続けることが重要。自己中断しないでください
安静にしても治まらない胸の痛み・強い息苦しさ・冷や汗・顔色が悪い——これらが重なるときは心筋梗塞の可能性があります。
✔ 自分で運転せず、すぐに119番(運転中に意識を失う危険があります)
✔ アスピリンが手元にあれば噛み砕いて服用(ニトログリセリンがあれば舌下に)
✔ 衣服を緩めて安静にして待つ
「まだ様子を見ようか」と思ったとき、心筋はすでに傷み始めています。発症から90分以内の治療開始が生死を分けます。
こんなとき、白岩医院にご相談ください
「胸の不快感がある」「心臓が心配」というとき、循環器専門医が丁寧に診察します。急性期の緊急搬送が必要な場合も、連携病院への速やかな紹介体制が整っています。
- ›階段・坂道・運動で胸が痛くなる・苦しくなる
- ›安静時や夜間に胸の不快感がある
- ›以前より体を動かしたときの息切れがひどくなった
- ›高血圧・糖尿病・脂質異常症があり、心臓への影響が心配
- ›喫煙歴が長く、心臓の状態を一度確認したい
- ›心筋梗塞・狭心症の治療後で、長期的な薬の管理・生活指導を受けたい
- ›家族に若くして心臓病になった方がいる
狭心症・心筋梗塞は「予防できる病気」であり、「管理できる病気」です。高血圧・糖尿病・脂質異常症・メタボリックシンドロームの管理から、発症後の二次予防まで、白岩医院が継続的にサポートします。「胸が少し気になる」という段階からでも、どうぞお気軽にご相談ください。
受診のご案内はこちら ›