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睡眠時無呼吸症候群 explanation

病気の説明

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、
知っておきたいこと

2026年6月更新 白岩医院 院長 読了約4分

「いびきがうるさい」「昼間に強い眠気がある」「朝起きても疲れが取れない」——そんな症状が続いていませんか?睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に何度も呼吸が止まる病気です。放置すると高血圧・心臓病・脳卒中のリスクを高めます。でも、適切な治療でぐっすり眠れるようになり、生活の質が大きく改善します。まずは一緒に確認してみましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とはどんな病気?

睡眠中に気道が塞がり、呼吸が10秒以上止まる(無呼吸)または浅くなる(低呼吸)状態を繰り返す病気です。1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)が5回以上で、症状を伴う場合にSASと診断されます。

閉塞性SAS(最も多いタイプ)

のどや気道周りの筋肉が緩んで気道が塞がることで起こります。肥満・顎が小さい・扁桃肥大などが原因になりやすく、日本のSASの大半がこのタイプです。

大きないびきが特徴的いびきの後に呼吸が止まる、をくり返す
日本人は肥満でなくても顎の形で発症しやすいSAS患者の約30〜40%は肥満ではない

中枢性SAS

脳から呼吸を促す指令が正しく送られないことで起こるタイプ。心不全・脳卒中に合併することがあります。

心不全・脳卒中患者に合併しやすい
いびきが少ない場合もある
ℹ 日本のSAS患者は推計900万人以上といわれていますが、治療を受けているのは約64万人程度。多くの方が未診断のまま過ごしています。約半数は日中の眠気を自覚していないため、気づきにくい病気です。

重症度の分類(AHIによる評価) GL準拠

SASの重症度は、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI:無呼吸低呼吸指数)で判断します。

軽症 5〜14 AHI 5〜14 生活習慣の改善・マウスピースが中心。定期的な経過観察を行います
中等症 15〜29 AHI 15〜29 CPAPまたはマウスピース。症状・合併症に応じて治療法を選択します
重症 30以上 AHI 30〜 CPAP療法が強く推奨。心血管疾患リスクが約5倍に上昇します
2026年6月の診療報酬改定により、CPAP療法の保険適用基準が緩和されました。
・簡易睡眠検査:AHI 30以上(改定前:40以上)で保険適用可能に
・精密検査(PSG):AHI 15以上(改定前:20以上)+症状がある場合に保険適用可能に
これまで「数値が少し足りない」といわれていた方も、6月以降は保険でCPAP治療を始められる可能性があります。一度ご相談ください。

気になるサイン・なりやすい方の特徴

こんな症状ありませんか

本人は気づきにくく、家族から指摘されて発覚することも多い病気です。

大きないびきをかく途中で止まる・息が詰まるようないびき
日中に強い眠気がある会議中・運転中・食後に突然眠くなる
朝起きても疲れが取れない・頭痛がする
夜中に何度も目が覚める・トイレに起きる
集中力・記憶力の低下を感じる
起床時に口が乾いている・のどが渇く

SASになりやすい方の特徴

肥満でなくても発症します。複数当てはまる方はぜひご相談ください。

首が太い・肥満気味(BMI 25以上)首周り40cm以上は特に注意
顎が小さい・出っ歯・受け口日本人は顎の形状でリスクが高まりやすい
扁桃・アデノイドが大きい
慢性的な鼻詰まりがある
仰向けで寝ることが多い
家族にSAS・強いいびきの方がいる

放置するとどうなるの?

SASは眠れないだけでなく、全身の病気と深く結びついています。特に高血圧・心臓病・脳卒中との関連は強く、2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドラインでも循環器疾患を持つ方への早期スクリーニングと介入が推奨されています。

合併・関連する病気SASとの関係
高血圧SAS患者の約50〜60%が高血圧を合併。夜間高血圧の主要原因のひとつ
心筋梗塞・狭心症重症SAS(AHI 30以上)では心血管疾患の発症リスクが約5倍に上昇
脳卒中(脳梗塞・脳出血)夜間の低酸素・血圧変動が脳血管を傷める。SASは脳卒中の独立したリスク因子
不整脈(心房細動など)繰り返す低酸素が心臓のリズムを乱しやすくする
糖尿病・メタボリックシンドローム睡眠の乱れがインスリン抵抗性を高め、血糖コントロールを悪化させる
交通事故・労働災害日中の強い眠気により運転中・作業中の事故リスクが大幅に増加
💡 CPAP治療を継続することで、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。治療を続けることの意味はとても大きいです。

どうやって調べるの?(検査の流れ)

SASの診断には睡眠中の呼吸状態を測定する検査が必要です。まずは自宅でできる簡易検査から始めることがほとんどです。

検査の種類内容
問診・スクリーニングいびき・眠気・疲労感などを確認。エプワース眠気スケールなどの質問票を使います
簡易睡眠検査(在宅)自宅で寝るときに小さな機器(指・鼻センサーなど)を装着するだけ。血中酸素濃度・呼吸・いびきを測定。AHI 30以上でCPAP保険適用が可能です(2026年6月改定)
睡眠ポリグラフ検査(PSG)専門施設での精密検査。脳波・眼球運動・呼吸・心電図などを同時に記録。AHI 15以上+症状がある場合にCPAP保険適用が可能です(2026年6月改定)
ℹ 白岩医院では、簡易睡眠検査の機器をお貸しして、ご自宅で検査していただくことができます。

治療の選択肢 GL2023 準拠

重症度・原因・合併症に合わせて治療法を選びます。生活習慣の改善はすべての方に大切な基本です。

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

就寝中にマスクを装着し、空気を送り込んで気道を広げ続ける治療法。中等症〜重症の閉塞性SASに最も有効で、標準治療とされています。毎月の受診で効果を確認しながら続けます。

口腔内装置(マウスピース)

歯科で作成するマウスピースで下顎を前方に固定し、気道を広げます。軽症〜中等症でCPAPが使いにくい方に適しています。保険適用はAHI 5以上から。歯科医との連携が必要です。

生活習慣の改善

減量・禁煙・節酒・横向き寝の工夫など。特に就寝前の飲酒は気道の筋肉を緩めSASを悪化させるため避けましょう。軽症では改善だけで症状が消える場合もあります。

外科的治療

扁桃肥大・鼻の構造的な問題が原因の場合、耳鼻咽喉科での手術が選択肢になります。すべての方に適応とはならず、専門医による慎重な評価が必要です。

日常生活でできること

CPAPを使いながら生活習慣を整えることで、より高い治療効果が得られます。

適正体重を目指す

減量で気道周りの脂肪が減り、無呼吸が改善することがあります

就寝前の飲酒を控える

アルコールはのどの筋肉を緩め、気道を塞ぎやすくします

禁煙する

喫煙は気道の炎症・浮腫を起こし、SASを悪化させます

横向きで寝る工夫をする

仰向けは気道が塞がりやすいため、横向き寝クッション等が有効

適度な運動を続ける

有酸素運動は体重管理と睡眠の質改善に役立ちます

CPAPを毎晩使い続ける

毎月の受診でデータを確認しながら継続することが大切です

🚗 SASと診断されている方は運転に注意してください。
強い眠気がある場合の運転は非常に危険です。「眠くなったら運転しない」「長距離運転を避ける」「CPAP治療で眠気を改善してから運転する」ことが大切です。仕事で運転される方は、早めにご相談ください。

こんなとき、白岩医院にご相談ください

「いびきくらい大丈夫」と思わず、気になったときにご相談ください。家族からの指摘がきっかけでも構いません。

  • 大きないびきをかく・呼吸が止まると家族に指摘された
  • 日中に強い眠気がある・居眠りしやすい
  • 朝起きても疲れが取れない・頭痛が続く
  • 高血圧や不整脈があり、夜間の血圧・心拍が心配
  • 糖尿病・メタボリックシンドロームがあり、血糖コントロールがうまくいかない
  • CPAP治療中だが、効果や使い方について相談したい

SASは診断・治療を始めるとQOL(生活の質)が大きく改善する病気です。いびきや眠気でお困りの方、高血圧・心臓病・糖尿病とあわせて管理したい方、まずはお気軽にご相談ください。簡易睡眠検査の機器をお貸しして、ご自宅で検査いただくことができます。

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