脳梗塞・脳卒中の予防について、
知っておきたいこと
脳卒中は、日本人の死因第4位であり、介護が必要になる原因の第1位です。しかし、その約8割は高血圧・糖尿病・脂質異常症・心房細動といった、管理できる生活習慣病が原因です。福島県の脳卒中死亡率は全国でも高い水準にありますが、日々の適切なケアで発症・再発を大きく防ぐことができます。
脳卒中の種類を知っておきましょう
「脳卒中」は脳の血管が詰まったり破れたりする病気の総称です。タイプによって原因・症状・治療法が異なります。
脳梗塞
脳の血管が詰まり、血流が途絶えて脳細胞が死ぬ。全脳卒中の約75%を占める最多タイプ。高血圧・心房細動・動脈硬化が主な原因
脳出血
脳内の細い血管が破れて出血するタイプ。高血圧が最大の原因。出血した部位によって症状や予後が大きく異なる
くも膜下出血
脳動脈瘤の破裂などで脳の表面に出血。「突然の激しい頭痛(人生最悪の頭痛)」が特徴。致死率・後遺症率が高い
TIA(一過性脳虚血発作)
数分〜24時間で症状が消える「脳梗塞の前触れ」。症状が消えても脳梗塞リスクは非常に高く、緊急対応が必要
脳卒中の症状——「FAST」で覚えてください
脳卒中の症状は「突然」現れるのが特徴です。次の4つのサインが突然出たときは、すぐに119番を呼んでください。
脳卒中のサイン——FAST(ファスト)
FASTで気づきにくい症状も覚えて
軽い脳梗塞やTIAはFASTに当てはまらないことがあります。
急性期治療は「時間との勝負」
脳梗塞は発症後、毎分190万個の脳細胞が失われます。
脳卒中を防ぐために管理すべき危険因子 GL2025 改訂
脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕では、以下の危険因子の管理が脳卒中一次予防・二次予防の基本とされています。白岩医院ではこれらをまとめて管理できます。
| 危険因子 | 脳卒中との関係 | 管理の目安 |
|---|---|---|
| 高血圧 | 脳卒中の最大の危険因子。収縮期血圧が10mmHg下がると脳卒中リスクが約30〜40%低下 | 130/80mmHg未満を目標に |
| 心房細動 | 心原性脳塞栓症(重症脳梗塞)の主原因。無症状でも脳梗塞リスクは同じ | DOAC(抗凝固薬)でリスクを約65%低減 |
| 糖尿病 | 血管の動脈硬化を促進。脳梗塞リスクが約2〜4倍になる。無症候性脳梗塞も増える | HbA1c 7.0%未満を目標に |
| 脂質異常症(高LDL) | 脳動脈の動脈硬化を加速。アテローム血栓性脳梗塞の主要原因 | スタチンで二次予防のLDL目標100mg/dL未満 |
| 喫煙 | 脳梗塞・くも膜下出血のリスクをそれぞれ約2〜3倍に高める | 禁煙(禁煙外来をご活用ください) |
| 過度の飲酒 | 大量飲酒は脳卒中・とくに脳出血・くも膜下出血のリスクを高める | 1日純アルコール20g以内が目安 |
| 肥満・メタボリックシンドローム | 高血圧・糖尿病・脂質異常症を通じて脳卒中リスクが累積的に増加する | BMI 25未満・適正体重の維持 |
| 睡眠時無呼吸症候群 | 夜間の低酸素・血圧上昇が脳血管を傷める。CPAP治療で脳卒中リスクが低下 | SASの早期診断・CPAP継続 |
| 慢性腎臓病(CKD) | 腎機能低下は脳卒中の独立したリスク因子。電解質・血圧管理が重要 | eGFR・蛋白尿の定期確認 |
脳卒中を起こした後の「二次予防」
脳卒中は一度起こすと、再発リスクが高まります。退院後のかかりつけ医による継続的な管理が、再発を防ぐ最も重要な手段です。
脳梗塞・TIAの二次予防薬
タイプによって使う薬が異なります。自己判断で止めないことが最重要です。
退院後の日常管理のポイント
薬の継続と定期受診が、再発を防ぐ最善の方法です。
今日からできる脳卒中予防
脳卒中予防で最も効果があるのは、生活習慣の改善と危険因子の管理です。できることから始めましょう。
毎朝血圧を測って記録する
高血圧は最大の危険因子。家庭血圧の把握が予防の第一歩です
減塩・バランスのよい食事
1日6g未満の食塩制限が降圧・脳卒中予防の基本です
適度な有酸素運動
週150分のウォーキングが目安。血圧・血糖・体重の改善に役立ちます
禁煙する
禁煙で脳梗塞リスクは5年で非喫煙者と同等まで下がります
お酒は適量に
大量飲酒は脳出血・くも膜下出血のリスクを特に高めます
処方薬を続ける
降圧薬・抗凝固薬・スタチンは自己判断で止めないでください
✔ 自分で運転せず119番を呼ぶ(脳梗塞は途中で意識を失う危険があります)
✔ 発症時刻(または最後に普段通りだった時刻)を必ずメモする
✔ 症状が短時間で消えても受診する(TIAの可能性。翌日には脳梗塞になることも)
✔ 「様子を見よう」は絶対にNG——発症から4.5時間以内が治療の勝負です
こんなとき、白岩医院にご相談ください
「脳卒中が心配」「高血圧・心房細動がある」という方は、ぜひかかりつけ医にご相談ください。循環器専門医として、リスク因子をまとめて管理します。
- ›高血圧・糖尿病・脂質異常症があり、脳卒中予防についてしっかり相談したい
- ›心房細動があり、脳梗塞予防の抗凝固薬(DOAC)について相談したい
- ›一時的に手足がしびれた・言葉が出にくかった(TIAかもしれない)
- ›脳卒中を起こして退院したが、再発予防の管理を続けたい
- ›家族が脳卒中になったことがあり、自分のリスクが心配
- ›喫煙者・大量飲酒があり、リスクを一度確認したい
脳卒中の約8割は予防できます。高血圧・心房細動・糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群——白岩医院ではこれらをまとめて管理しながら、脳卒中を「起こさない・再発させない」ためのサポートを続けます。どうぞお気軽にご相談ください。
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