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脳梗塞・脳卒中 explanation

病気の説明

脳梗塞・脳卒中の予防について、
知っておきたいこと

2026年6月更新 白岩医院 院長 読了約4分

脳卒中は、日本人の死因第4位であり、介護が必要になる原因の第1位です。しかし、その約8割は高血圧・糖尿病・脂質異常症・心房細動といった、管理できる生活習慣病が原因です。福島県の脳卒中死亡率は全国でも高い水準にありますが、日々の適切なケアで発症・再発を大きく防ぐことができます。

脳卒中の種類を知っておきましょう

「脳卒中」は脳の血管が詰まったり破れたりする病気の総称です。タイプによって原因・症状・治療法が異なります。

脳梗塞

脳の血管が詰まり、血流が途絶えて脳細胞が死ぬ。全脳卒中の約75%を占める最多タイプ。高血圧・心房細動・動脈硬化が主な原因

脳出血

脳内の細い血管が破れて出血するタイプ。高血圧が最大の原因。出血した部位によって症状や予後が大きく異なる

くも膜下出血

脳動脈瘤の破裂などで脳の表面に出血。「突然の激しい頭痛(人生最悪の頭痛)」が特徴。致死率・後遺症率が高い

TIA(一過性脳虚血発作)

数分〜24時間で症状が消える「脳梗塞の前触れ」。症状が消えても脳梗塞リスクは非常に高く、緊急対応が必要

TIA(一過性脳虚血発作)は見逃し厳禁です。 症状が自然に消えても、2日以内に脳梗塞を発症するリスクが約10〜15%あります。「症状が治まったから大丈夫」と思わず、その日のうちに受診してください。

脳卒中の症状——「FAST」で覚えてください

脳卒中の症状は「突然」現れるのが特徴です。次の4つのサインが突然出たときは、すぐに119番を呼んでください。

脳卒中のサイン——FAST(ファスト)

F 顔(Face) 顔の片側が垂れ下がる・ゆがむ。「イー」と笑ってみて左右非対称になる
A 腕(Arm) 両腕を前に伸ばしたとき、片方が下がる・力が入らない
S 言葉(Speech) 言葉が出てこない・ろれつが回らない・相手の言葉が理解できない
T 時間(Time) 1つでも当てはまれば今すぐ119番!発症時刻を記録しておく

FASTで気づきにくい症状も覚えて

軽い脳梗塞やTIAはFASTに当てはまらないことがあります。

突然の視野のかすみ・片目が見えない
突然のひどいめまい・ふらつき
突然の激しい頭痛(経験したことのないような)
歩けない・バランスがとれない
飲み込めない・むせる

急性期治療は「時間との勝負」

脳梗塞は発症後、毎分190万個の脳細胞が失われます。

tPA(血栓溶解療法)発症から4.5時間以内に投与で脳細胞を救える
機械的血栓回収療法(MT)発症から24時間以内が対象。カテーテルで血栓を直接回収
「自分で運転しない」が鉄則途中で意識を失う危険があります
発症時刻を必ずメモする「最後に普段通りだった時刻」が治療判断の基準になります

脳卒中を防ぐために管理すべき危険因子 GL2025 改訂

脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕では、以下の危険因子の管理が脳卒中一次予防・二次予防の基本とされています。白岩医院ではこれらをまとめて管理できます。

危険因子脳卒中との関係管理の目安
高血圧 脳卒中の最大の危険因子。収縮期血圧が10mmHg下がると脳卒中リスクが約30〜40%低下 130/80mmHg未満を目標に
心房細動 心原性脳塞栓症(重症脳梗塞)の主原因。無症状でも脳梗塞リスクは同じ DOAC(抗凝固薬)でリスクを約65%低減
糖尿病 血管の動脈硬化を促進。脳梗塞リスクが約2〜4倍になる。無症候性脳梗塞も増える HbA1c 7.0%未満を目標に
脂質異常症(高LDL) 脳動脈の動脈硬化を加速。アテローム血栓性脳梗塞の主要原因 スタチンで二次予防のLDL目標100mg/dL未満
喫煙 脳梗塞・くも膜下出血のリスクをそれぞれ約2〜3倍に高める 禁煙(禁煙外来をご活用ください)
過度の飲酒 大量飲酒は脳卒中・とくに脳出血・くも膜下出血のリスクを高める 1日純アルコール20g以内が目安
肥満・メタボリックシンドローム 高血圧・糖尿病・脂質異常症を通じて脳卒中リスクが累積的に増加する BMI 25未満・適正体重の維持
睡眠時無呼吸症候群 夜間の低酸素・血圧上昇が脳血管を傷める。CPAP治療で脳卒中リスクが低下 SASの早期診断・CPAP継続
慢性腎臓病(CKD) 腎機能低下は脳卒中の独立したリスク因子。電解質・血圧管理が重要 eGFR・蛋白尿の定期確認
💡 2025年改訂版ガイドラインでは、肥満合併2型糖尿病の方のGLP-1受容体作動薬(セマグルチドなど)が脳卒中二次予防として新たに推奨されました。糖尿病の治療薬が脳卒中予防にも役立つ時代になっています。詳しくはご相談ください。

脳卒中を起こした後の「二次予防」

脳卒中は一度起こすと、再発リスクが高まります。退院後のかかりつけ医による継続的な管理が、再発を防ぐ最も重要な手段です。

脳梗塞・TIAの二次予防薬

タイプによって使う薬が異なります。自己判断で止めないことが最重要です。

抗血小板薬(アスピリン・クロピドグレルなど)非心原性脳梗塞(動脈硬化性)の再発予防に
DOAC・ワルファリン(抗凝固薬)心房細動による心原性脳塞栓症の再発予防に
スタチン(コレステロール低下薬)アテローム血栓性脳梗塞の再発予防。LDL 100mg/dL未満が目標
降圧薬脳梗塞・脳出血ともに血圧管理が最も重要な再発予防

退院後の日常管理のポイント

薬の継続と定期受診が、再発を防ぐ最善の方法です。

毎朝の血圧測定・記録家庭血圧の管理が二次予防の基本
処方薬を毎日続ける「調子がいいから」と止めると再発リスクが急増
定期的な受診・血液検査2〜3か月に1回の受診で血圧・血糖・脂質を確認
リハビリ・運動療法の継続再発予防と機能回復の両方に効果的

今日からできる脳卒中予防

脳卒中予防で最も効果があるのは、生活習慣の改善と危険因子の管理です。できることから始めましょう。

毎朝血圧を測って記録する

高血圧は最大の危険因子。家庭血圧の把握が予防の第一歩です

減塩・バランスのよい食事

1日6g未満の食塩制限が降圧・脳卒中予防の基本です

適度な有酸素運動

週150分のウォーキングが目安。血圧・血糖・体重の改善に役立ちます

禁煙する

禁煙で脳梗塞リスクは5年で非喫煙者と同等まで下がります

お酒は適量に

大量飲酒は脳出血・くも膜下出血のリスクを特に高めます

処方薬を続ける

降圧薬・抗凝固薬・スタチンは自己判断で止めないでください

🚨 FASTのサインが1つでも出たら、すぐに119番!

✔ 自分で運転せず119番を呼ぶ(脳梗塞は途中で意識を失う危険があります)
発症時刻(または最後に普段通りだった時刻)を必ずメモする
✔ 症状が短時間で消えても受診する(TIAの可能性。翌日には脳梗塞になることも)
✔ 「様子を見よう」は絶対にNG——発症から4.5時間以内が治療の勝負です

こんなとき、白岩医院にご相談ください

「脳卒中が心配」「高血圧・心房細動がある」という方は、ぜひかかりつけ医にご相談ください。循環器専門医として、リスク因子をまとめて管理します。

  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症があり、脳卒中予防についてしっかり相談したい
  • 心房細動があり、脳梗塞予防の抗凝固薬(DOAC)について相談したい
  • 一時的に手足がしびれた・言葉が出にくかった(TIAかもしれない)
  • 脳卒中を起こして退院したが、再発予防の管理を続けたい
  • 家族が脳卒中になったことがあり、自分のリスクが心配
  • 喫煙者・大量飲酒があり、リスクを一度確認したい

脳卒中の約8割は予防できます。高血圧・心房細動・糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群——白岩医院ではこれらをまとめて管理しながら、脳卒中を「起こさない・再発させない」ためのサポートを続けます。どうぞお気軽にご相談ください。

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