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高脂血症(脂質異常症) explanation

病気の説明

高脂血症(脂質異常症)について、
知っておきたいこと

2026年6月更新 白岩医院 院長 読了約4分

「コレステロールが高め」「中性脂肪が気になる」と健診で指摘されても、自覚症状がないため放置してしまうことが多い病気です。でも、高脂血症(脂質異常症)を放置すると、動脈硬化が静かに進み、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことがあります。数値が気になったときが、ケアを始めるタイミングです。

高脂血症(脂質異常症)とはどんな病気?

血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れた状態を「脂質異常症」といいます。かつては「高脂血症」と呼ばれていましたが、HDLコレステロール(善玉)が低すぎる場合も含まれるため、現在は「脂質異常症」が正式名称です。

脂質が血管壁に溜まると「動脈硬化」が進行し、血管が狭くなったり詰まったりすることで、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などの命にかかわる病気につながります。

LDLコレステロール(悪玉)が高い

血管壁にプラーク(脂のかたまり)を積み重ね、動脈硬化を進める主犯。日本人に最も多いタイプです。食事の影響を受けやすく、遺伝的要因もあります。

HDLコレステロール(善玉)が低い

余分なコレステロールを回収する働きがあります。低すぎると動脈硬化が進みやすくなります。運動不足・喫煙・肥満で下がりやすいのが特徴です。

中性脂肪(トリグリセライド)が高い

食べすぎ・飲みすぎ・運動不足で増えます。単独でも動脈硬化のリスクを高め、高値が続くと急性膵炎の原因にもなります。

Non-HDLコレステロールが高い

総コレステロールからHDLを引いた値。2022年版ガイドラインで重要な指標として位置づけられました。中性脂肪が高い方に特に有用な評価項目です。

診断の目安となる数値 GL2022 準拠

原則として10時間以上の絶食後に採血した値で判断します。2022年版ガイドラインから、食後(随時)の中性脂肪の基準値が新たに設定されました。

悪玉コレステロール LDLコレステロール 140mg/dL以上 → 高LDL血症 120〜139 → 境界域
善玉コレステロール HDLコレステロール 40mg/dL未満 → 低HDL血症 低いほどリスク上昇
中性脂肪 トリグリセライド(TG) 150mg/dL以上(空腹時) 175mg/dL以上(随時・新設)
悪玉の総量 Non-HDLコレステロール 170mg/dL以上 → 高値 150〜169 → 境界域
ℹ これらはあくまで「診断基準」であり、薬を始める基準とは異なります。数値が基準を超えていても、他のリスク(高血圧・糖尿病・喫煙など)との組み合わせで治療方針が変わります。まずはご相談ください。

LDLコレステロールの管理目標値 GL2022 改訂

目標値は「心臓病や脳卒中を起こしたことがあるか(二次予防)」「他のリスク因子がいくつあるか(一次予防)」によって異なります。2022年版では、アテローム血栓性脳梗塞が二次予防の対象に新たに追加されました。

対象 LDL目標値 Non-HDL目標値
リスクが低い方(一次予防) 160mg/dL 未満 190mg/dL 未満
リスクが中程度の方(一次予防) 140mg/dL 未満 170mg/dL 未満
リスクが高い方・糖尿病など(一次予防) 120mg/dL 未満 150mg/dL 未満
心臓病・脳梗塞の既往あり(二次予防) 100mg/dL 未満 130mg/dL 未満
急性冠症候群・家族性高コレステロール血症など(二次予防・高リスク) 70mg/dL 未満 100mg/dL 未満
⚠ ご自身がどのカテゴリーに当てはまるかは、他の病気やリスク因子によって変わります。「自分の目標値はいくつ?」と疑問に思ったら、ぜひ受診時にご確認ください。

気になるサイン・主な原因

高脂血症は「ほぼ無症状」

多くの場合、自覚症状はありません。ただし次のような場合は注意が必要です。

健診でコレステロール・中性脂肪を指摘された再検査や経過観察が必要です
まぶたや腱に黄色い膨らみ(黄色腫)がある家族性高コレステロール血症の可能性
胸の痛み・動悸・息切れが続く動脈硬化が進行しているサインのことも
急に強い腹痛が起きた中性脂肪が非常に高い場合、急性膵炎のリスク

血中脂質が上がりやすい原因

生活習慣と遺伝が大きく影響します。心当たりのあるものから見直してみましょう。

脂肪分・糖分の多い食事
お酒の飲みすぎ(中性脂肪が上がりやすい)
運動不足・肥満
喫煙(HDLを下げる)
遺伝(家族性高コレステロール血症など)
甲状腺機能低下症・糖尿病・腎臓病などの持病

日常生活でできること GL2022 推奨

ガイドラインでは、魚・野菜・海藻・大豆製品・未精製穀類の摂取量を増やすこと、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控えること、食物繊維を増やすことが推奨されています。生活習慣の改善が、薬より先の第一歩です。

脂質に気をつけた食事

揚げ物・バター・加工肉を控え、魚・大豆・野菜を意識して摂る

食物繊維を増やす

野菜・きのこ・海藻・雑穀はLDLを下げる効果が期待できます

有酸素運動を続ける

ウォーキング週150分が目安。HDLを上げ、中性脂肪を下げます

適正体重を目指す

体重を5〜10%減らすだけで脂質バランスが改善しやすくなります

お酒を控えめに

飲みすぎは中性脂肪を大きく上げます。休肝日を設けましょう

禁煙する

喫煙はHDLを下げ、動脈硬化を加速させます。禁煙外来もご相談ください

💡 生活習慣の改善を3〜6か月続けても目標値に届かない場合は、スタチン系などの薬物療法を組み合わせることがあります。「薬を飲むべきか」は検査値とリスクを見ながら一緒に考えます。

こんなとき、白岩医院にご相談ください

「症状がないから大丈夫」ではなく、数値が気になったときが動脈硬化を防ぐチャンスです。

  • 健診でコレステロール・中性脂肪を「高め」「要再検」といわれた
  • LDLコレステロールが140mg/dL以上、または中性脂肪が150mg/dL以上が続いている
  • HDLコレステロールが低いといわれた
  • 家族に高コレステロールや若くして心臓病・脳卒中になった方がいる
  • 高血圧・糖尿病もあり、脂質もまとめて管理したい
  • コレステロールの薬を飲んでいるが、効果や副作用が気になる

脂質異常症は、生活習慣の改善と定期的な検査の組み合わせで十分にコントロールできます。高血圧・糖尿病と合わせた「まとめてケア」も白岩医院にお任せください。どうぞお気軽にお越しください。

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