手足のしびれ・麻痺——
「突然」のしびれは脳梗塞のサインかもしれません
手足のしびれは、多くの方が一度は経験する症状です。長時間同じ姿勢でいたときのしびれは心配いりませんが、「突然・片側だけ・他の症状を伴う」しびれは脳梗塞・TIA(一過性脳虚血発作)のサインである可能性があります。「しばらくしたら治まった」「軽いしびれだから」と放置することが、最も危険な判断です。
✔ 突然、顔・片腕・片脚のどこかにしびれや麻痺が起きた
✔ 体の片側だけ力が入らない・動かしにくい
✔ しびれとともに言葉が出ない・ろれつが回らない
✔ しびれとともに視野が暗くなる・ぼやける
✔ 症状が数分で治まった場合も——TIA(脳梗塞の前触れ)の可能性があります
症状が消えても油断禁物。その日のうちに必ず受診してください。
TIAは発症から2日以内に約10〜15%が脳梗塞に移行します。
しびれの診断で最も大切なこと——「突然かどうか」
しびれの原因を判断するうえで、最も重要な手がかりは「いつ・どのように始まったか」です。
突然始まったしびれ→ 緊急の可能性が高い
「急に」「バッと」「気づいたら」という始まり方。何もしていないのに突然起きた場合は特に要注意。
じわじわ続くしびれ→ 慢性疾患の可能性
「以前からずっとしびれている」「少しずつひどくなってきた」という始まり方。
しびれの「部位・パターン」も大切な手がかりです
どこがしびれるかによって、原因が絞り込めます。
顔+片側の手足(同時に)
脳梗塞・TIAの最も典型的なパターン。片側の顔と腕・脚が同時にしびれる・動かしにくい場合は即座に119番を
片側だけの手または脚
体の左右どちらか一方だけというパターンも脳梗塞を疑う。「左手だけ」「右脚だけ」という訴えは要緊急評価
両手・両足先が左右対称に
糖尿病性神経障害・末梢神経障害に多い。「靴下をはいているような感覚」と表現されることも。慢性的に進行する
首・肩から腕・指に広がる
頸椎症・頸部椎間板ヘルニアが多い。首を動かすと悪化することがある。中高年の男性に多い
腰・お尻から脚に広がる
腰部脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニアが多い。歩くと悪化し、休むと楽になる「間欠跛行」が特徴的
手のひら・親指〜薬指
手根管症候群が多い。夜間・朝方に強い。妊娠中・更年期の女性や手をよく使う方に多い
緊急度の目安——次にとるべき行動
手足のしびれ・麻痺を引き起こす主な病気
⚠ 脳梗塞・TIA
脳の血管が詰まり、神経への血流が途絶える。突然の片側のしびれ・麻痺が特徴。TIAは症状が消えても再発・脳梗塞のリスクが非常に高い
⚠ 脳出血・くも膜下出血
脳内または脳表面への出血。激しい頭痛を伴うことが多い。片側のしびれ・麻痺・意識障害が突然起こる
注意 糖尿病性神経障害
長年の高血糖が末梢神経を傷める。両足先・手先の「靴下をはいたような」左右対称のしびれ・感覚低下が特徴。糖尿病合併症の中で最も早期から現れる
注意 頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア
首の椎間板や骨の変形が神経を圧迫。首〜肩〜腕〜指先へのしびれ・痛みが特徴。首を動かすと悪化することが多い
注意 腰部脊柱管狭窄症
腰の神経の通り道が狭くなる。腰〜お尻〜脚へのしびれ・痛みが特徴。歩行で悪化し、前屈みになると楽になる「間欠跛行」が典型的
手根管症候群
手首の神経(正中神経)が圧迫される。親指〜薬指のしびれ・痛みが夜間・朝方に強い。女性・更年期・妊娠中に多い
末梢動脈疾患(PAD)
足の血流不足による冷感・しびれ・歩行時の痛み。喫煙・糖尿病・高血圧のある方に多い。足の傷が治りにくいときも注意
ビタミンB₁₂欠乏・貧血
栄養不足による末梢神経障害。両手足のしびれ・倦怠感を伴う。血液検査で確認・改善できる
白岩医院でできる検査・対応
しびれの原因を素早く鑑別し、緊急性の高い脳血管疾患を優先的に除外します。
| 検査・対応 | 内容 |
|---|---|
| 問診・神経学的診察 | しびれの始まり方・部位・左右差・筋力低下の有無を確認。脳血管疾患か末梢神経疾患かを鑑別 |
| 血圧測定・心電図 | 高血圧・不整脈(心房細動)などの脳梗塞リスクを確認。脳卒中の背景にある循環器疾患を評価 |
| 血液検査 | 血糖・HbA1c(糖尿病性神経障害の評価)・ビタミンB₁₂・血算・凝固機能を確認 |
| 頭部CT・MRI (専門病院・緊急搬送) | 脳梗塞・脳出血・腫瘍を確認。突然発症の場合は救急搬送で対応 |
| 頸椎・腰椎MRI (専門病院紹介) | 椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄の確認。整形外科・脳神経外科と連携して紹介 |
| ABI検査(足関節上腕血圧比) | 末梢動脈疾患(PAD)の評価。足の血流低下を確認 |
こんな方は特に注意してください
次のいずれかに当てはまる方は、しびれが起きたときに脳梗塞・TIAの可能性が高くなります。
脳梗塞・TIAのリスクが高い方
糖尿病性神経障害に注意の方
糖尿病のある方は、しびれの原因が神経障害と脳梗塞の両方に分かれます。見分けが重要です。
しびれ・麻痺に関連する病気の説明
| 病気 | しびれとの関係 | 詳細ページ |
|---|---|---|
| 脳梗塞・脳卒中の予防 | 突然の片側しびれ・麻痺の最重要原因。TIAも含め緊急対応が必要 | → 脳梗塞・脳卒中の予防ページへ |
| 高血圧 | 脳梗塞・TIAの最大リスク因子。血圧管理がしびれ予防の基本 | → 高血圧のページへ |
| 心房細動 | 心原性脳塞栓の原因。無症状のまま脳梗塞を起こすことも | → 心房細動のページへ |
| 糖尿病 | 糖尿病性神経障害による慢性のしびれ。脳梗塞リスクも高める | → 糖尿病のページへ |
| 慢性腎臓病(CKD) | 腎性貧血・電解質異常による末梢神経障害でしびれが起きることも | → 慢性腎臓病のページへ |
手足のしびれ・麻痺が気になったら、白岩医院にご相談ください
「突然のしびれ」は脳血管疾患の可能性を最優先に確認します。「慢性のしびれ」は糖尿病・神経疾患の評価を丁寧に行います。しびれの背景にあるリスク因子も同時に管理します。
- ›突然、片側の顔・腕・脚がしびれた(症状が消えた場合も)
- ›体の片側だけ力が入りにくい・動かしにくい感じがある
- ›両足先がじわじわしびれる・感覚が鈍くなってきた
- ›首・肩の痛みとともに腕・指先にしびれがある
- ›糖尿病があり、足のしびれ・感覚低下が出てきた
- ›高血圧・心房細動があり、しびれを感じるようになった
しびれは「様子を見ていい症状」と「今すぐ対応が必要な症状」が混在しています。判断に迷ったら受診が最善です。白岩医院では、高血圧・糖尿病・心房細動などの脳卒中リスク因子の管理と、しびれの原因究明を同時に行い、必要な専門医療機関への紹介を行います。
受診のご案内はこちら ›