慢性腎臓病の基礎知識
慢性腎臓病とは、腎臓の働きが徐々に低下していく病気の総称です。
腎臓は体の中の老廃物を尿として排出したり、血圧を調整したりする大切な臓器です。
主な症状には以下のようなものがあります。
・むくみ(特に足首)
・疲れやすい
・食欲不振
・吐き気
・かゆみ
・高血圧
・貧血
ただし、初期の段階ではほとんど自覚症状がないことが特徴です。
慢性腎臓病の診断
主に以下の検査を行います
・尿検査(タンパク尿や血尿の有無)
・血液検査(クレアチニン値、eGFR値など)
・画像検査(エコー、CT)
・血圧測定
特にeGFR(推算糸球体濾過量)という検査値は、腎臓の働きを表す重要な指標です。
慢性腎臓病の原因と進行度
主な原因
・糖尿病
・高血圧
・慢性糸球体腎炎
・多発性のう胞腎(遺伝性の病気)
・痛風
・肥満
・加齢
などがあります。
ステージ分類
慢性腎臓病は、腎機能(eGFR値)によってG1~G5の5段階にステージ分類されます。
G1:正常または高値(eGFR 90以上)
G2:軽度低下(eGFR 60-89)
G3:中等度低下(eGFR 30-59)
G4:高度低下(eGFR 15-29)
G5:末期腎不全(eGFR 15未満)
ステージが進むほど、合併症のリスクが高まります。
特に注意が必要な合併症
・心臓病
・脳卒中
・貧血
・骨の病気
・全身のかゆみ
慢性腎臓病の治療と予防
治療の基本は、原因となる病気の治療と生活習慣の改善です
薬物療法
・降圧薬(血圧を下げる薬)
・利尿薬(むくみを改善する薬)
・貧血改善薬
・リン吸着薬(リンの吸収を抑える薬)
生活習慣改善のポイント
・減塩(1日6g未満を目標に)
・適度な運動
・禁煙
・適正体重の維持
・十分な睡眠
・ストレス管理
食事の管理も大切
・タンパク質の適正摂取
・カリウムの制限(進行例)
・リンの制限(進行例)
・水分管理(進行例)
ステージG4以降になると、透析や腎臓移植などの腎代替療法の準備を始める必要があります。
早期発見・早期治療が極めて重要です。定期的な健康診断を必ず受けるようにしましょう。
気になる症状がある場合は、まずはかかりつけ医に相談することをお勧めします。
よくあるご質問
腎臓の働きを教えてください。
① 余分なものを排泄します。
② 体内の水分や電解質の調整をしています。
③ 血圧や貧血をコントロールするホルモンをつくります。
慢性腎臓病と高血圧の関係を教えてください。
慢性腎臓病は高血圧などの合併症を発症しやすく、また、高血圧は腎臓病を悪化させます。