
インフルエンザ予防接種について、相談の準備から始めましょう
孫が冬休みに遊びに来る、持病のある家族にうつしたくないなど、今年もインフルエンザの予防接種を受けておきたい。ただ、糖尿病で通院していること、心房細動で血液を固まりにくくする薬を飲んでいることなど、これらを誰に、どう伝えればよいのかで迷う方もいらっしゃいます。この記事では、主治医へ伝えたい情報、接種時期の考え方、当日に延期となる目安、接種後の相談先を順に整理しました。予約の電話をかける前に、手元の準備にお役立てください。
この記事の要点まとめ
- 持病や服用中の薬、過去の接種後の反応を整理し、主治医や接種先へ相談しましょう。
- 接種は流行前の10~12月が一般的で、免疫ができるまで約1~2週間かかるとされています。
- 発熱や急な体調変化は接種先へ連絡し、接種後のあざや症状も状態に応じて医療機関へ相談しましょう。
目次
高齢の方や持病のある方のインフルエンザ予防接種
高齢の方や持病のある方がインフルエンザにかかると、肺炎などを併発して重症化しやすいとされています。そのため、65歳以上の方と、60〜64歳で心臓や腎臓などに一定の障害がある方は、予防接種法にもとづく定期接種の対象です1。年齢を重ねるとワクチンへの免疫の反応が弱まりやすいことも知られており、海外では高齢者向けの接種量を比べた研究も行われています2。
この記事では、予防接種の時期、当日の体調、接種後の様子、予約の順に見ていきます。
接種時期と、予定を変更する目安
インフルエンザは例年12月ごろから流行が始まり、1〜2月に患者数が多くなる傾向があります3。ワクチンを接種してから体に免疫ができるまでには約1~2週間かかり、その状態はおよそ5~6か月続くとされています1。
流行の状況にもよりますが、10月から12月までに接種を行うのが一般的です。直前は予約が混み合いやすいため、主治医への相談は10月のうちに済ませておくと、調整の余裕が生まれます。高齢者の定期接種の実施期間や助成の内容は自治体ごとに決められているので、田村市からの案内も確認しておきましょう。
予定を変更する目安として、37.5℃以上の明らかな発熱がある日は接種を受けられません1。せきや下痢など急な体調不良があるときも、予約当日になってから悩むより、前日までに接種先へ連絡しておくと再予約がスムーズです。最終的には、当日の予診票と診察をもとに医師が延期かどうかを判断します。体調が戻ってから改めて予約し直せば、冬休みまでの日程に組み込める場合も十分あります。
接種後のあざや体調の変化は、いつ相談する?
接種後に起こりうる主な反応(副反応)には、次のようなものがあります1。
- 接種した部分の反応:赤み、腫れ、痛み、熱っぽさ、かゆみ、しこり
- 全身の反応:発熱、寒気、頭痛、だるさ
- まれに起こる重い反応:強いアレルギー反応(アナフィラキシー)など
接種した部分や全身の反応は、多くの場合2〜3日で落ち着くとされています1。血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方は、針の跡にあざができやすい傾向があります。
次のような場合は、相談の目安にしてください。
- 腫れや赤みが広がる、数日たっても引かない → 接種先へ
- あざが大きくなっていく、押さえても出血が止まりにくい → 接種先または薬の処方元へ
- 高い熱が続く、ぐったりしている → 接種先やかかりつけ医へ
- 息苦しさ、全身のじんましん、顔や唇の腫れ → すぐに医療機関へ連絡
強いアレルギー反応はまれですが、多くは接種後30分以内に起こるため、その間は院内や近くで様子をみることが勧められています。
田村市で相談先を決め、予防接種を予約するまで
通院先が複数あると、どこに何を聞けばよいか迷いがちです。役割を分けて考えると整理しやすくなります。
- 通院先:今の病状で接種してよいか、適した時期はいつか
- 通院先:服薬を続けたまま接種してよいか、出血についての個別の指示
- 接種先:昨年の反応、当日の体調、予約の条件
市外の病院まで足を運ぶのが負担なら、まずは電話で「インフルエンザの予防接種を受ける予定ですが、薬はいつもどおりで構いませんか」と尋ねてみてください。次回の受診を待たずに確認できることもあります。
接種について迷うときは、通院先の主治医や接種先に持病や服薬の状況を伝えて相談してください。昨年のあざなど、接種後の反応もあわせて伝えると、当日の確認に役立ちます。接種できるかどうかは、当日の診察で判断されます。
予防接種の予約方法は接種先に確認してください。その際、持病と服用中の薬を一言添えていただくと、当日の確認が円滑です。
- 回数:13歳以上の方は、原則として1シーズンに1回の接種です1
- 期間:接種から免疫ができるまで約1~2週間かかり、その状態はおよそ5~6か月続くとされるため、流行の季節ごとに毎年の接種を検討します1
- 主な副反応:接種した部分の赤み・腫れ・痛み・かゆみ・しこり、発熱、寒気、頭痛、だるさなどが起こることがあり、まれに強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることもあります
**予約の電話をかける前に、お薬手帳と既往症、副作用の記録を手元にそろえておきましょう。
よくある質問
Q. 血液を固まりにくくする薬を飲んでいても、インフルエンザの予防接種は受けられますか?
A. 服薬中でも接種を検討できる場合が多いものの、薬の種類や量、ほかの持病によって判断は変わります。お薬手帳を持参し、処方元の医師と接種先の医師に服薬中であることを伝えて相談してください。
Q. 新型コロナワクチンと同じ時期に受けても構いませんか?
A. 現行の制度では、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同時接種も可能とされています。体調や持病の状況によって分けたほうがよい場合もあるため、予約時に希望を伝えて相談しましょう。
Q. 当日に血糖値が高めだったら、接種は中止になりますか?
A. 血糖値の数値だけで一律に中止となるわけではありません。発熱や強いだるさなど、ほかの体調の変化もあわせて医師が判断します。不安な場合は、前日までに接種先へ連絡しておくと安心です。
参考文献
1. 厚生労働省(予防接種 公式入口) https://www.mhlw.go.jp/
2. DiazGranados CA, Dunning AJ, Kimmel M, et al. Efficacy of high-dose versus standard-dose influenza vaccine in older adults. The New England Journal of Medicine. 2014. PMID: 25119609 DOI: 10.1056/NEJMoa1315727
3. 国立感染症研究所(感染症情報) https://www.niid.go.jp/
平成12年 福島県立医科大学卒業
平成13年 国立国際医療センター(現 国立国際医療研究センター) 内科
平成15年 心臓血管研究所附属病院 循環器内科
平成18年 太田西ノ内病院 循環器センター 循環器内科
平成22年 三春病院 内科 内科診療部長
平成24年 白岩医院 院長
日本循環器学会(循環器専門医)
日本心臓病学会
日本医師会認定産業医
田村福祉会 ときわ荘 嘱託医(非常勤)
学校医(幼稚園、小学校、中学校) ・産業医(市内7つの事業所) ・福島県警察医
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